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あと一ヶ月で満76歳(数えでは77歳の喜寿)を迎えるのを機に、5月末から妻と二人で四国八十八箇所遍路の旅に出た。歩き遍路は体力的にも無理なので、山形から長躯車での遍路としたが、四国巡礼のあと高野山(金剛峯寺)や伊勢神宮(内宮・外宮)比叡山(延暦寺)などにも詣でてきたので、走行距離は約4,000キロ、期間も22日間の長旅となった。
旅を終えての感想を一言で表すなら、人間にとって「解脱(げだつ)し涅槃(ねはん)の境地に到達することは一生の大仕事」であり、たかだか3週間ぐらいの遍路で「数多くの煩悩から脱け出すことはできない」という実感である。と同時にいかに多くの日本人が、人生の苦悩から逃れるための遍路を続けているかを、目の当たりにすることができた。
数年前、菅首相(当時は厚労相だったか)が年金未納問題の発覚で辞任し、四国遍路の旅に出たという報道があった。頭を丸めて白衣に輪袈裟、金剛杖を持って遍路する菅氏の姿を、意外感を持って見た人も多かったのではないか。それは、攻撃的な舌鋒をもって政府与党を攻撃する野党時代の菅氏の姿とは別の、自分の内面を見詰めなおす修行僧の気持ちの片鱗を感じたからかもしれない。
だが、その後首相にまで登りつめた菅氏の言動には、そうした自省的で謙虚な「人」としての姿勢が殆ど見られない。とりわけ東日本大震災の際の原発事故対策については、東電や保安院との連携がスムーズに行われなかっただけでなく、その後の国会審議などでは、「私には情報が来なかった」とか「自分としてはできる限りの処置・対策を実行した」など、自己反省のかけらも見られない答弁に終始している。とりわけ、「退陣の時機」についてはポストに恋恋としているようで、とてもお遍路さんの精神とはほど遠いものだ。やはりあの時の遍路は、有権者向けの政治的パフォーマンスであったようだ。
四国では八十八寺巡礼最後の寺で「結願」(けちがん)の「証」を戴いてきた。その後、和歌山の高野山では「綬戒」(十善戒牒)を戴いて今回のお遍路の締めくくりとした。二歳年下の家内は「これからも毎年一回は行きたい」といっていたが、同感である。今回お遍路出発に際して小生は剃髪(ていはつ)して行ったが、三週間後に帰宅した際には、それもかなり(3~5㍉位)伸びていた。でも、坊主頭は手もかからず、見た目にも涼しくて夏向きでもある。省エネやクールビズが喧伝される昨今、菅総理以下の各閣僚にもこのスタイルをぜひおすすめしたい。蓮ほう(漢字が探せず仮名にした)前大臣の坊主頭(尼僧姿)など一見の価値ありと思うが如何?
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