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歌舞伎の型

 投稿者:ソレイユ  投稿日:2016年 4月 8日(金)20時20分21秒
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  狂言とは違いますが歌舞伎の型について調べてみました。
歌舞伎では、同じ作品の同じ場面にも関わらず、
演じる役者、演じる地域によって違うようです。

この違いは、型から来ています。
型とは、作品や役の解釈による特定の演技や演出などを指し、
俳優の名跡や屋号、上方の型など伝わった地域を冠して
名づけられています。

例えば、義経千本桜の主人公の権太は、

上方の型では、大和国(奈良)に近いという地域性を生かし、
「大和国の田舎のならず者」という解釈で権太を演じます。
そのためせりふ回しは上方言葉となり、しぐさや扮装も
野暮ったく表現します。

東京では、代々の尾上菊五郎が洗練させた、音羽屋の型で
演じるのが一般的です。

この型では、権太を江戸っ子という解釈で演じます。
せりふ廻しは江戸弁で、きびきびとした動きから衣裳の柄や
手拭の結び方まで、粋に見えるよう細部に渡って工夫されています。

原作を踏まえると権太が江戸っ子なのはおかしいのですが、
音羽屋型では江戸・東京の観客に馴染み深い人物像として
造形した結果、このような型が成立しました。

型は親子や師弟の関係によって、受け継がれていきました。そのため、
どの型で演じられるかは、演じる俳優個人によって決定されます。

ウイーン・フィルの指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは一回だけ
歌舞伎を見たことがあるのですが、
「歌舞伎は私の理想だ、完璧ならば何も変える必要はないはずだ。」
と言っています。

歌舞伎と同様オペラも、何十年ものあいだ繰り返し上演されています。
彼は恐らくオペラの演出が音楽からどんどん離れて一人歩きしていく
風潮を危惧したのです。

そして「音楽にすべてが描かれている。演出は音楽のためにある」
という信念のもとに自ら理想的な演出を志したのです。
 
 
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